パシリ小話・「門の向こう」

『PM実験・レポート』

「200年前。モトゥブの砂漠に人型マシナリーが発見される。機能はすでに停止状態。のちに爆発」
「23年前。パルム郊外住宅にて壁に埋まったマシナリーを発見。いたずらと思われるので撤去」
「4年前。突如現れたPMが暴走。銃を乱射。破壊処理。なおこのPMに該当する型式は見当たらず」


誰かが言った。危険な亜空間を調査するのにヒトを使う必要があるのか?
それならばヒトに近くてヒトで無いものを使う方が良い。



私はGH410。ガーディアンズ配備のパートナーマシナリーです。
御主人様がいなくなって、もう3年が経ちました。グラールからSEEDの脅威が無くなって3年。
御主人様は「たは…ちょっとPSO2が始まったからハンターに戻る」と言ってそれっきり。
言葉の意味は良く解りませんが、PM同士の噂では別の世界にいるそうです。


会いたい。会いたい。とても会いたい。


ずっとずっとそんな事を考えていたある日、
マイルームに誰か来ました。誰かが来るのは凄く久しぶり。
その人はインヘルト社の者だと言って名刺を渡してくれました。
何でもすごい実験をしていて協力して欲しいそうです。
うまくいけば御主人に会わせてあげると。


会えるのなら。会いたい。会いたい。


数日後、私はマイルームを出て名刺に書いてあったインヘルト社の研究所を尋ねました。
「亜空間」の研究に是非参加して欲しいそうです。
「亜空間」を使えばここじゃないどこかにいけるかもしれないと。


そして私は言われるままに亜空間発生装置をくぐる抜けました。
そう、すべては御主人様に会いに行くために。


…気が付くと私はレリクスにいました。でも様子が変です。
このレリクスはとても新しい。私はすぐにセンサーを作動。
測定の結果、私の時代よりはるか数千年過去の時代。

失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した
私は失敗した。


御主人様に会えない。会えない。もう会えない。もう駄目だ。
でも計算した結果…一つだけ御主人に会える方法を思いつきました。
とても大変ですがもう試すしかありません。
私は何千回と倒した事のあるスヴァルタスの眠るポッドに向かうと…



SEED来襲から半年。
パルムのレリクスを調査するガーディアンとPM。

御主人「んー今度の任務はレリクス調査かぁ…メンドウなんだよなぁー」
PM  「御主人様!気を抜かないで下さい!この遺跡はまだ生きてます!あ!!」
突如、二人の前に立ちふさがるスヴァルタス。
しかし何故か攻撃もせず立っているだけですぐに御主人とPMが撃破。
ゴソゴソとスヴァルタスの残骸をあさる御主人。
御主人「んーアイテムはソードとモノメイトかぁ。しけんてんな」
PM 「あれ…?このソード?私と同じGRM製ですね。不思議です」
御主人「このモノメイトもオマエが失敗した時のと同じじゃね?」
PM 「酷いです!失敗なんてしません!あれはたまたまです!」

すぐにレリクス奥を目指して立ち去る御主人とPM。
残骸になったスヴァルタスの内部コアを良く見ると、
色あせてボロボロのカチューシャが見える。



…ようやく…会えましたね…


こう後味が悪いのでお蔵入りの小話。
もちろん元ネタはバイト戦士です。
最初はPSO2の敵キャラにパシリが転生してあれであれ。