パシリ小話・「クリスマス」

今夜はクリスマスイブ。
街はイルミネーションに飾られ道行く人々も楽しそう。
そんな夜のGRM社PM用倉庫。


広い倉庫内を埋め尽くす無数のPM達。
そして床から一段高い所に白髪で白ひげの老人。


教官「いいか!パシリ共!!今日は何の日だ!」
PM達「今日はクリスマスであります!サー!!」
教官「お前達は何だ!」
PM達「サンタクロースックであります!サー!」
教官「お前達の役目は何だ!」
PM達「配れ!配れ!配れ!」
教官「よぉーし!上出来だ!これから作戦開始!」


良く見るとPM達全員が赤と白のカラフルな衣装を着ている。
つまりサンタクロースのコスチューム。


GH410「GH410部隊準備完了。ホルサス・シティ配達開始します」
GH420「ポコ隊も準備完了だポコ!モトゥブのあちこちOKポコ」
GH430「GH430部隊も準備完了。私達はオウトク・シティですね」
GH440「GH440部隊はもう少しかかります。準備出来次第出ます」
GH450「GH450隊は問題ありません。コロニー他を担当致します」


そしてグラール中にクリスマスプレゼントを配る為、
大きな白い袋を担いだPM達が続々と倉庫から出て行った。


惑星パルム。ホルサス・シティ某所。
繁華街の通りを歩くカップル。


男 「なな、何だあれは!」
女 「ん?どうかしたの?」
男 「今起こった事をあ(ry…小さいサンタが俺の所にプレゼントを持ってきた」
女 「あーはいはいはい。中2病乙…ってサンタクロース幻想は小2病かしら?」
男 「本当だ!い今オマエが向こう見ていた瞬間にスピニングブレイクしつつプレゼントを!」
女 「サンタコスが好きなら好きって言ってくれれば…じゃなくて!スピニングブレイクを?」
男 「そうだ!あれはオマエが昔見せてくれた技に似ていたぞ」
女 「…まさか…ね。それよりプレゼントって何を貰ったの?」
男 「むう。そうだな一応は中身を確認して見るか」
女 「わぁ…ペアのアクセサリー!素敵じゃない?」


惑星モトゥブ。寒村。
あまり裕福には見えないある家。


子供「かーちゃん!かーちゃん!いまサンタがプレゼントくれたぞ!」
母親「そんな事言って…プレゼントなんて買える訳無いじゃないか…」
子供「本当だって。なんかサンタ、ミミがあってポコポコ言ってたぞ」
母親「お父ちゃんが生きてたらプレゼント買えたのにねぇ…ゴメンよ」
子供「仮面パシリ・フォーフォーゼロの変身帽子だ!マジかっけー!」


GRM本社。社長室。
片目を髪で隠した銀髪の男性と眼鏡を掛けた理知的な女性。
眼鏡の女性が銀髪の男性に問いかける。


秘書「何でこんな面倒な事をするのかしら?慈善事業なら多額の寄付でもすれば良いものを」
社長「ふう…解ってませんね。表立って寄付をすれば偽善だって叩かれる。そんなものです」
秘書「それじゃパートナーマシナリーを使う訳は?わざわざ眠っているのを倉庫から出して」
社長「その方が可愛いから…て理由じゃ駄目ですか?」
秘書「んー…理由としてはイマイチかしら?」
社長「では回収されて眠っている彼女達もヒトと触れて幸せになって欲しいかなと」
秘書「呆れたロマンチストね。でもキライじゃないかも」
社長「僕は全ての女性の味方ですから。もちろん貴女も」


そして重なる二人の影。


地には平和をヒトには愛を。
メリークリスマス。


前日に思いついてイブまでに間に合わせる為に書いた小話。
クリスマス・・・いいですよね(遠い眼)