パシリ小話・「ダイスキ」


あるPMの日記。

○月○日。
最近、マスターに会えない気がする。それは多分気のせいだと思う。
知り合いのPMもマスターが来なくなって半年経過したと言っていた。
私のマスターは用事があってたまたま来れないだけだ。たぶん。


○月×日。
マスター達のパーティーとミッションに出た。私なりに頑張ったと思う。
マスターに褒めて頂きたかったのだが特に何も無くとても残念に思う。
マスター達の会話から推測すると別の事に興味がある様だ。PSO2
何かの略だろうか?


×月×日。
あれからマスターに会えない。どうしたのだろう。とても不安。
友人のPMとも連絡がつかない。おかしい。おかしい。
一人でマイルームを掃除。寂しい。とても寂しい気がする。


×月△日。
まだマスターに会えない。あれから随分と時間が経った気がする。
噂で知り合いのPMは「処分」されたと聞いた。
彼女のマスターは「引退」して「PSO2」へ行ったそうだ。
「処分」「引退」「PSO2」言葉の意味がワタシには良く解らなイ。


△月△日。
会エない。今日モ会えない。悪イ考えがヨぎる。
モウ会えないノだろうか?イエ会えるハズ。ダメダ。ダメ。
今度アッタラ二度とハナレナイようにシヨウ。それはイイ考エダ。


△月○日。
アエナイアエナイアエナイアエナイアエナイアアアエナイ会エない。


×月○日。
あレから時間がたったがマスターが帰ってきタ。
良かった。良かった。私は捨てられてない。
そうだ。イイ考え実行しよう。これで大丈夫。
あレ…いい考えっていつ考えたのだろう。


×月△日。
マイルームをロック。誰も出られない様にした。
メールが五月蝿いのでマスターの友達を全員ブラックリストに入れておく。
マスターも最初ハ暴れていたがワタシの気持ちを解ってくれるハズダ。
必要な物は全て私が合成しますので心配しないで下さい。


△月△日。
あれから何日か経過した。最近、マスターがあまり動かない。
以前は楽しそうに「ヘヒヒヒイ…」と笑っていたノに。
ワタシはロボットだKらマシナリーだからヒトの事はよく輪kらなイ。


△月○日。
Mアスターがまったく動かなくなった。どうしてか解らナい。
このメインかメらからずっと流れているのはナンダロう?
ワタシハ…貴方にずっと伝えたかったコトがあります…ソレハ…



刑事1「まったく酷い事件だな…」
刑事2「この日記を読み限りじゃ犯人はPMって事っスね」


近隣から異臭がするとの通報を受け警備部がマイルームのロックを解除。
この事件が発覚し調査が行われた。事件現場のマイルームを検分する二人の刑事。


刑事1「…この事件は部屋の持ち主が急性の発作を起こして死亡したと公表する予定だ」
刑事2「ほへ?真実はPMによる殺人事件じゃないっスか!?どうして!?」


刑事1が事件現場を見渡してため息。


刑事1「GRMの誇るPMが御主人様を「食い殺した」なんて世間に公表してみろ?どうなる?」
刑事2「あーでも…」
刑事1「何千人の御主人達の隣にいるPMがそうなるかもって知られたら?大パニックになるぞ」
刑事2「…でも…」
刑事1「多分…これと似たような事件はこれからも起きるかもしれないな…多分沢山な…」


刑事1が指差す先には、空ろな瞳で何かを呟き続けるPMの姿。


PM 「…ダイスキ…ダイスキ…ダイスキ…ダイスキ…ダイスキ…ダイスキ…ダイスキ…」



未発表の小話。テーマはヤンデレ
あまり小話を連続で書くのもあれだと思ってお蔵入り。
貴方のまわりで突然連絡が取れなかった人いませんか?