パシリ小話・「酒場にて」
民間軍事会社リトル・ウイングが設立されて日が浅いある日。
ここは観光コロニー・クラッド6内にあるとある酒場。
(コロニー内の)昼間の時間から酒を煽っている男性が一人。
リトル・ウイングの統括者クラウチ。そこへ一人の女性が近寄る。
彼女はリトル・ウイングの女社長ことウルスラ。
飲んだくれるクラウチの姿に呆れながらもウルスラが話を始める。
ウルスラ「ふう…やっと見つけたわクラウチ。こんなトコにいるとはね?」
クラウチ「あ…ああ?仕事がヒマで飲んで何が悪いんだよ?
大体SEEDも居ないんだから仕事なんかねーよなぁ。ぷは」
ウルスラ「これからが忙しくなるわよ?SEEDと言う外圧があったからヒトは一致団結出来た。
無くなった今、これからヒト同士で色々問題が出てくるのは解ってるじゃない?」
クラウチ「んー…それはまあイイじゃねーの?それよりオマエがココまで来るなんて何の用だよ?」
ウルスラ「大した事じゃないのだけど、一応目を通してもらいたいプランがあって」
クラウチ「んーどれどれー…PMの払い下げを受ける案件?PMってあれだろ?人型のマシナリー」
ウルスラ「そう。パートナーマシナリー。騒動も収まってアッチはかなり人員が少なくなったそうよ?
それで、余ったPMの民間払い下げが決定した訳。良くある話ね」
クラウチ「何だってマシナリーなんだよ?経験者スカウトがメインのウチには必要無いじゃねーの?
どうせならオリジナルのPMを製作した方がいーじゃんかよ。バインバインなのとか」
ウルスラ「それは…私だってそう思ったわよ?でもチェルシーがね、どうしてもって」
クラウチ「チェルシーだと?そりゃまた何で?」
ウルスラ「彼女がね、言うの『キカイにも心タクサンタクサン持ってるノ事ヨ。タスケルヨロシねー』
とか言うのよね。でね?調べたけど、引き取り手の無いPMはどうなるか知ってる?
メモリーを初期化されて過酷な労働作業もしくは解体されてGRMのリサイクルパーツ行き」
クラウチ「… … …」
ウルスラ「クラウチ…どう?ダメかしら?」
クラウチ「わーったよ!社長はオマエなんだか好きにしろよ。クソッ勝手にしろ。
そのうちガーディアン崩れのケツの青いガキが来たらPMに会えて喜ぶんじゃねーの」
ウルスラ「良かった!さすがチェルシーね。『シャチョーサンはアー見エテも情が深いのヨ。
エミリアの時とオナジネ』て言った通りだわ」
クラウチ「…グッ!!…なんだよ?二人でグルかよ?面白くねーな。
あーあーあー!さすが中古品は中古品の気持ちが解りますよねー!」
ウルスラ「(ピキッ!!)…中古…品…?どう言う意味かしら?」
クラウチ「ヤ…ヤベ!あーウソウソ!やー程良い使用感がそのーイイ感じとゆーか…」
ウルスラ「(ピキピキ!!)フ…フフフフフフフフ…」
翌日。フルボッコにされたクラウチを見たエミリアが数日寝込んだのはまた別のお話。
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なんでリトル・ウイングがPMを使うのかみたいな裏話的な小話。
実はこれも私。PMが出てこない話ですが書きたかったので。
別の小話といろいろと繋がってます(「新型PM」の中古品ネタとか)