パシリ小話・「くらいへやのはなし」

  暗い暗いとても暗い部屋。ふたりの女の子がいました。
その暗い部屋には小さな女の子がふたり。動くものは二人だけ。

 ふたりはずっとずっと暗い部屋で二人きりでした。
あまりにずっと二人きりでしたので退屈で退屈で、
あまりに退屈なのでふたりでお話ばかりしていました。

 笑える話、泣ける話、酷い話、悲しい話、長い話、短い話。
その他沢山のお話を二人で話したり聞いたり。
暗い部屋の中で泣いたり笑ったり怒ったりしてきました。

 でもそんな時も終わりが来ます。
どんな話でも始まりがあれば終わりが来るものですから。
一人の女の子がもう一人の女の子に語りかけました。

「それでポコが活躍した話はこれで全部だポコ」
「ポコって結構活躍した方かも知れないポコよ」
「新ジャンルでたくさんのごしじん様にお話作ってもらったポコ」
「あれ?けっこーいい人生ってやつかもポコ?」
「帽子ちゃんはどう思うポコ?…帽子ちゃん?」
「帽子ちゃん…先に行っちゃったんだポコね…」

 そう言って女の子は動かない女の子に近ずくと手を取り、
「うん。ポコも行くポコ。ごしじん様たち今までありがとうポコ」
と言うと瞳を閉じるとそれきり動かなくなりました。

 暗い暗いとても暗い部屋にはもう動くもの誰もいません。
そのかわりに動かない女の子が沢山あとに残されました。



PSU終了なので小話。ポコがまた酷い目にあってます。